出来心でODしてバットトリップ

私は洋楽に凝っている時期があった。

それも昔の洋楽で、音楽業界は想像力がなければ生きていけないからか、ジャンキーが多かった。

また、映画「トレインスポッティング」などをみて、退廃的なかっこよさに、魅せられていた。

その人達が見た世界を見てみたい。

色々調べて、○ンタックS○に幻覚作用があると知り、カプセルを外し、中の粉薬をヨーグルトに混ぜて9錠摂取した。酷く苦かった。

そして、薬が効くまで床のソファーで寝そべっていた。この後の地獄も知らずに。

食後に飲んだため、一二時間は酒に酔ったような感覚だった。しかし、脳は冴え渡っているのにも関わらず、手足は何故かだらんとしていた。何故か力が入りにくいのだ。

そして三時間後、脳に変な感覚がほとばしり、いきなり強烈な吐き気が襲って、その場で嘔吐してしまった。手足が弛緩してて、トイレに行く暇なんてなかった。

手足の感覚が消えていった。徐々に手の先の触覚が消えていき、不安感が増していった。冷や汗をかきまくり、死の不安か付き纏った。

肘から先と、膝から先の感覚が無くなった頃、あまりの吐き気と、不安感に目を閉じ、逃げようとした。

目を閉じても地獄だった。幻覚が襲ってくるのだ。瞼の裏に、帽子を被ってサングラスした陽気な白人男性と、黒人男性が肩を組んで😉👍としていた黄色いネオンが見えた。瞼を開けた。

正直面白さと恐怖がごちゃ混ぜになっていた。苦しさはあったが、この状態で音楽を聴いたらインスピレーションが湧くのでは？と思い、平沢進の歌をイヤホンで聞いた。

瞼を閉じる。紫と青のボーダーのトンネルが出てきた。訳が分からない。

次に瞼を閉じると死ねと大量に赤い文字で書かれた映像が出てきた。死にたくない死にたくないとずっと神に祈って再び目を閉じていた。(続く)